2013年12月2日月曜日

平和の鐘へ (3/7/2002 平和の鐘の到着に寄せて)

平和の鐘へ                           (3/7/2002    平和の鐘の到着に寄せて)


あなたは教会の鐘。

教会の鐘と言うと、こんなことを思い起こさせるね。

教会の鐘の音は、町々に、村々に、その響きを伝え、人々の心を、生活を支えてきた。
町々には、自慢の教会と鐘があった。とうちゃんや、じいちゃんが、汗水ながして、樹を切って、石を運んで、作った誰にも真似の出来ない、たった一つの教会 があった。それは、産湯のごとく、自分の誕生を祝い、洗礼のとき、ミサのとき、クリスマスの時、結婚の時、そして、死の時を、いつも、人生の時に奏でてく れた音。
その音が、旅から帰る旅人に故郷を呼び起こす音。

あなたは、どうして、遠い異国で、うまれて、この地にきたの?。

そう、あなたの誕生には、長いお話があるの。

57年前に、世界中を襲い、何百万、何千万の人達の命を傷つけて、家々を壊し、文明の粋を賭けて、互いに傷つけ合う戦争があった。
それが終わって、平和の音を、全世界に響かせたいと願った人がいた。
その人は、もう既に死んでしまったけれど、そのことを覚えていた人達がいた。
その人達の呼びかけで、あなたは、この世に生を受けた。
あなたが、平和の音を奏でるために、生まれだした。

平和の音って、どんな音なんだろう。
澄んだ、カラン、コロンの音かしら。
それとも、力強い コンカラガンの音かしら。
それとも、清らかなカロンコロンの音かしら。
どんな音がするんだろう。

きっと、平和な音は、人の心の奥に、どこまでも、どこまでも、響いていく音。
傲慢になった人の心を揺り動かし、青空のように生きることを思い出させる音。
弱気になった心に、さくらの花のように、思いきり咲いてごらんを呼びかける音。
いやみしか言えなくなった心を、静かに、人の声に耳を傾けることを思い出させる音。

平和の鐘よ。
いつまでの、平和の音を響かせよ。

あなたは、まだ、この世に生を受けたばかりだ。
この世の哀しみ、苦しみ、理不尽さを、たくさん見るだろう。
そして、また、多くの愛や友情をみるだろう。

あなたは、平和の世界にやってきたのではない。
あなたは、この地上に平和をつくるためにやってきたのだ。
ほんの57年前、世界は焼け爛れていたのだ。
その時、平和を呼び覚ますために、あなたは、その願いをもって、召し出されのだ。
あなたを作っている金属は、岩に眠る鉱物でいることもできたのかもしれない。
あなたの兄弟達は、飛行機になって、大空を飛んでいるのかもしれない。
もしかすると、人を殺す兵器になっているのかもしれない。
しかし、あなたは、教会の鐘になった。

それは、あなたが、平和をつくる使命、伝道者になったということ。

清く生きよ。
簡素に生きよ。
そして、強く生きよ。

哀しみを乗り越えて、苦しみを乗り越えて、100年先まで、200年先まで、1000年先まで
人間が平和を求める存在であることを述べ伝えよ。
21世紀がどのような時になるのか、その目で見、語り伝えよ。

そして、誕生から未来への時の重さをもって、”人間とはいかなるものなのか”を証すものとなれ。

                               (by kimito 3/7/2002 平和の鐘の到着に寄せて。)

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